Pinterest広告のパフォーマンスを最適化するエンハンスドマッチやコンバージョンAPIの必要性とは?導入効果を解説
こんにちは、CCIで企業のデータマーケティングの推進とデータプランナーを担当をしている三代(みよ)です。
本コラムでは、Cookieレス時代のコンバージョン計測方法として各広告プラットフォーマーが提供するコンバージョン欠損対策を解説しております。
今回はPinterestが提供するコンバージョン欠損対策として公開されているエンハンスドマッチやコンバージョンAPIにフォーカスして導入効果や事例を解説をさせていただきます。
■目次
Pinterestが推奨しているコンバージョン欠損対策とは?
Pinterestではコンバージョンの可視化と質が重要と捉えており、Pinterestシステムのシグナルの量を増やすために現在4つの形式を公開しております。
①PinterestコンバージョンAPI
コンバージョンAPIとは、従来の広告媒体が発行するピクセルタグ経由で発行されたCookieを使わずにコンバージョンを計測する手法です。
具体的には広告主のサーバーから広告プラットフォーマーの広告サーバーに直接シグナルデータを送信することで、広告主側の成果データと広告プラットフォーマーの持つ会員データを付き合わせてコンバージョンを計測する仕組みとなります。
Pinterestでも、コンバージョンAPIを提供しておりますが、コンバージョンAPIを使用するにはアプリケーションの開発が必要なため、公開されているデベロッパー向けドキュメントをもとに広告主様のデータ環境やエンジニアリソースの確保して実装をする必要があります。
②コンバージョンアップロードを活用
こちらはウェブコンバージョン、アプリ内コンバージョン、オフラインコンバージョンなどの成果データをCSVファイルで直接Pinterestのアドマネージャーにアップロードする手動の方法となります。
具体的な手順はアドマネージャーへのコンバージョンアップロード手順を参考ください。
比較的スムーズにデータの連携は可能なもののいくつか注意が必要となります。
・レポートダッシュボードに反映されるまで 48時間ほどかかる(手動によるリアルタイム性)
・Pinterestのアップロード仕様に合わせて随時データを生成・加工する必要がある
・手動対応のため顧客データの取り扱いには細心の注意が必要
・ファーストパーティデータを扱うため広告主のプライバシーポリシーの整理やデータの取り扱い方は事前に準備が整理が必要
そのため、基本はコンバージョンAPI実装までの代替手段として利用するのが良いと思われます。
③Pinterestタグにエンハンスドマッチを追加
エンハンスドマッチは Pinterestタグの機能です。
こちらは通常のPinterestピクセルタグを編集する方式でクッキーを使用しない計測方法となります。
広告主サイトのイベントにマッチするハッシュ化されたメールアドレスを送信して、クッキーがなくてもコンバージョンの計測が可能です。
広告主様側でトラッキングした成果データに含まれるメールアドレスをキーにPinterestの会員データに含まれるメールアドレスと連携する方法となります。
※メールアドレス自体は安全にハッシュ化されるため安全性は最低限担保がされております。
設定自体はPinterestのビジネスアカウント上からタグをインストールをしてベースコードを追加、エンハンスドマッチを設定、イベントコードを追加という流れになります。
・ベースコード:ベースコードですべてのページに設置するタグ
・イベントコード:トラッキングしたいページに設置するタグ
④Pinterestタグに自動エンハンスドマッチを追加
こちらはエンハンスドマッチのオプション機能で同じくPinterestタグの機能です。
広告を通じてコンバージョンをした際の入力フォームに記載された情報を安全にハッシュ化し、Pinterestと共有できるようになります。
※氏名、電話番号、性別、生年月日、都市、州、郵便番号、国が該当
すでに Pinterestタグを使って エンハンスドマッチを有効にしている場合であっても、自動エンハンスドマッチを有効にしてキャンペーンのパフォーマンスを最大化することを推奨します
・JavaScript タグのみに対応
・ウェブコンバージョン限定
・ユーザーが情報を入力できるフォームフィールド(顧客がメールアドレス、電話番号、氏名などを入力できる)のある各ページに Pinterestタグの実装が必要
なお、①~④の各方式ともユーザー側に個人情報(PII)を活用することに対する同意が必要になります。このコラムでは詳細は触れませんが、広告主様側の法務ご担当部署と連携してプライバシーポリシー等の整理が必要になる点をご認識ください。
エンハンスドマッチとコンバージョンAPIのどちらを導入するのが良いのか?
Pinterestとしては両方の形式を導入することを推奨しております。
コンバージョンAPIは、エンハンスドマッチ(Pinterestタグ)では取得できないデータを捉えるのに効果的となるためです。
ついついPinterestのビジネスアカウントで設定可能で導入ハードルが低いエンハンスドマッチを選択しがちですが、広告プラットフォームに送りこむシグナルの送信量と情報量を拡大させるには両方の形式を導入することで広告最適化機能のさらなるマキシマイズが期待できます。
加えて、広告主のWebサイトや成果ポイントはそれぞれサイト構造が異なっているためWebサイトの構造やオンライン・オフラインの成果ポイントを精査しながら設定を進める必要があります。
事例
CCIでは、PinterestコンバージョンAPI」を国内で初めて導入し、実際に広告配信を行い、広告効果を検証をしました。
「PinterestコンバージョンAPI」導入前と導入後のキャンペーン開始から1か月間の数値を比較したところ、導入前と比べ約40%のCPAの低下が確認できております。
また、別で実施したFacebookでも約28%のCPAの低下が確認できております。
CCIが提供するコンバージョン欠損対策
CCIが提供するデータマーケティングサービス『Data Dig』ではCookie以外に個人情報(PII)を活用したコンバージョン計測の対応を、「コンバージョン欠損対策」という形でサービス化して提供しております。
CCIが提供するコンバージョン欠損対策プランでは、イベントデータの取得方法や環境に応じた、2つの形式でコンバージョン計測環境を提供しております。
①Advanced Taggingプラン
顧客データ(カスタマー情報)を付加したコンバージョンシグナルをコンバージョンピクセルで送信する形式で既存のコンバージョンタグを編集するライトなプラン
②Conversion APIプラン
顧客データ(カスタマー情報)を付加したコンバージョンシグナルをコンバージョンAPIで送信する形式。ブラウザの読込エラーや広告ブロッカーによる計測漏れなど取得仕切れなったシグナルを補うことで取得シグナルの総量を最大限上げるプラン
具体的なサービス詳細はCCIが提供するコンバージョン欠損対策サービスをご確認ください。
最後に
今回はPinterest広告のコンバージョン欠損対策をご紹介させていただきました。
他のコラムではPinterest以外の広告媒体が提供しているコンバージョン欠損対策をご紹介しておりますので併せてご参考ください。
【Google広告編】 【LINE広告編】【Yahoo!広告編】
【TikTok広告編】【Amazon広告編】【Meta広告編】
【Microsoft広告編】【X(旧Twitter)広告編】
「Data Dig」では、コンバージョン欠損対策ソリューションの導入の他にもデータクリーンルームやファーストパーティデータ活用など幅広い実績や支援をしております。
ご興味のある方は是非お気軽にお問い合わせください。
>>コンバージョン欠損対策(コンバージョンAPI)|サービス概要ページ