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Google Chorme サードパーティクッキー廃止を撤回

こんにちは、CCIでデータマーケティングの推進を担当をしているKazです。

 

Google Chromeのデータプライバシー対策の方針転換が、Privacy Sandbox VP, Anthony Chavez氏より発表(2024年7月22日)されました。2025年に予定されていたサードパーティクッキーの完全廃止を行わず、ユーザーに対してOpt-in/Opt-outの選択肢を提供する方針であるとされています。

【DD】PrivacySandbox


◆目次


 

 

アナウンスメント内容 (一部抜粋)

"we are proposing an updated approach that elevates user choice. Instead of deprecating third-party cookies, we would introduce a new experience in Chrome that lets people make an informed choice that applies across their web browsing, and they’d be able to adjust that choice at any time. We're discussing this new path with regulators, and will engage with the industry as we roll this out."

「私たちは、ユーザーの選択肢を高める新しいアプローチを提案しています。サードパーティクッキーを廃止するのではなく、ユーザーがウェブ閲覧全体に適用される情報に基づいた選択を行える新しいエクスペリエンスを Chrome に導入し、いつでもその選択を調整できるようにします。私たちはこの新しい道筋について規制当局と協議しており、これを展開する際には業界と連携していきます。」

 

【DD】Opt-inout

 

◆方針転換の背景

Googleはこれまでサードパーティクッキーの規制のタイミングを延期してきた背景があります。

2020年1月の最初の発表から2024年4月最新の発表までに、4度の実施延期を発表してきました。

 

サードパーティクッキーを取り巻く多くのステークホルダーたちとの調整、規制当局への公平性を担保した機能の証明など、多くの困難を乗り越えるための苦渋な選択の連続だったことが伺えます。

 

"we’ve received feedback from a wide variety of stakeholders, including regulators like the UK’s Competition and Markets Authority (CMA) and Information Commissioner's Office (ICO), publishers, web developers and standards groups, civil society, and participants in the advertising industry. "

「私たちは、英国の競争・市場庁(CMA)や英国情報コミッショナー事務局(ICO)などの規制当局、出版社、ウェブ開発者や標準化団体、市民社会、広告業界の関係者など、さまざまな関係者からフィードバックを受け取っています。」

 

"we expect that overall performance using Privacy Sandbox APIs will improve over time as industry adoption increases. At the same time, we recognize this transition requires significant work by many participants and will have an impact on publishers, advertisers, and everyone involved in online advertising."

「業界での採用が進むにつれて、プライバシー サンドボックス API を使用した全体的なパフォーマンスが時間とともに向上すると予想しています。同時に、この移行には多くの参加者による多大な作業が必要であり、パブリッシャー、広告主、およびオンライン広告に関わるすべての人に影響を与えることを認識しています。」

 

 

また、対抗する企業によるネガティブキャンペーンがこの発表に合わせて行われていたという報道もされており、直接的な関係性は推測の域を出ないものの、Google包囲網からのプレッシャーも相当なものであったと考察ができます。

 

 

◆プライバシーサンドボックス 今後の行方

"it remains important for developers to have privacy-preserving alternatives. We'll continue to make the Privacy Sandbox APIs available and invest in them to further improve privacy and utility."

「開発者にとってプライバシーを保護する代替手段を持つことが引き続き重要になります。私たちはプライバシー サンドボックス API を継続的に提供し、プライバシーと実用性をさらに向上させるために投資していきます。」

 

とあり、あくまでユーザーのプライバシー保護を目的としてプライバシーサンドボックスAPIを維持すると明言されています。

 

 

◆主要ブラウザのプライバシー対応状況
このコラムに辿りついてくださった方々にはまさに「釈迦に説法」となりますが、SafariとFirefoxでは既にサードパーティクッキーのサポートは廃止されています。これらのブラウザはプライバシー保護のもとに、ユーザーの追跡を制限することでユーザーの個人情報を守る方針を早期に採用しました。

MicrosoftのEdgeでは、従来はサードパーティクッキー廃止に対して保守的な立場をとっていました。しかし、2024年3月には、Edgeもサードパーティクッキーの利用を停止し、代替となる「Ad Selection API」を発表しました。なお、具体的なサードパーティクッキーの停止時期については明言がされていません。

 

 

◆ユーザーの反応予想

Opt-Inによるユーザーデータ提供の許諾は、iOSのATT(App Tracking Transparency)がすでに存在しており、そのOpt-In率がデータとして一部公開されています。アプリ種別ごとの集計ではOpt-In率に分散もあり、Chromeユーザーの将来的なOpt-In率の予想値とすることは難しいところですが、日本国内に限定した状況での数値では2023年Q1で20%以下とグラフが示しており、国内ユーザーのデータプライバシーに対する慎重な姿勢が読み取れる数値と捉えることができます。

【DD】Opt-in-rates

 


◆最後に

Google Chromeのサードパーティクッキーに関する方針転換は、多くの延期と調整を経て実施されることになります。Webエコシステム全体の調和を踏まえ、移行をスムーズに進める意図が伺えます。しかし、低調なユーザーのOpt-in率が予想されるため、広告主やパブリッシャーは依然としてクッキーレス対策の準備を進める必要があると考えます。

 

クッキーレスによる影響範囲、およびData Digのサービスを通じた対策をご案内しています。

ぜひ以下のリンクからご覧ください。

 

 

今後も、情報プライバシーを守る取り組みの重要性の高まりと共に、クッキーレス対策の検討、ソリューションの実装が活発化することが予想されます。

 

CCIではクッキーレスに対応したデータ統合支援・活用サービスData Dig(データディグ) を提供しています。各種サービスのご紹介もございますので併せてご覧ください。

【DD】202404cookieless_document_03

 

 


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>>資料請求ページ|DataDig

 

 

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