【応用編】コンバージョンAPI(CAPI)とは?クッキーレスで注目されるコンバージョンAPI(CAPI)をわかりやすく解説
こんにちは、CCIで企業のデータマーケティングの推進とデータプランナーを担当をしている三代(みよ)です。
本コラムでは、Cookieレス時代のコンバージョン欠損対策として注目されるコンバージョンAPI(CAPI)につきまして複数回に分けて解説をしております。
最終回となる第3回目はとなる今回はコンバージョンAPI(CAPI)を導入した後にどのような活用ができるのかを応用編として解説をさせていただきます。
過去の記事ではコンバージョンAPIの基礎知識や導入方法を解説しておりますので併せてご確認ください。
■目次
コンバージョンAPIとは?
コンバージョンAPI(通称CAPI)とは、従来のCookieを使用したコンバージョン計測方法でなく、広告主のサーバーから媒体社のサーバーへ直接シグナルデータを送信する仕組みです。加えて、従来のタグ計測とは異なりブラウザの読込エラーや広告ブロッカーによる計測漏れなど取得仕切れなかったシグナルデータを補うことが可能なため、今まで以上に広告最適化機能の活性化が期待できます。
コンバージョンAPI(CAPI)の導入後のマーケティング活用方法とは?
コンバージョンAPIを導入後のデジタルマーケティングへの有効的な活用方法は以下が挙げられます。
①ファーストパーティデータ活用
クッキーレス時代で重要になってくるのがファーストパーティデータの活用です。
ファーストパーティデータとは、企業が独自に直接収集した自社Webサイトの会員情報、自社WEBサイトのアクセス履歴データ、購買履歴、キャンペーン登録情報となります。
最近では、企業が持つファーストパーティデータと広告媒体が保有する自社会員IDに紐づくメールアドレスや電話番号をキーにマッチングさせたアドレサブル広告(CRM広告)の活用が注目されております。
一方、ファーストパーティデータのマーケティング活用においては、個人情報保護の観点でユーザーに対してデータの利用目的の明示や許諾、同意を得る必要があるため慎重な対応が求められております。
ただし、コンバージョンAPIを導入したということは既にユーザーに対して、プライバシーポリシーの整備やデータ利用目的の明記・利用許諾が済んでいる状態かと存じますので(※注1)、クッキーレスの影響を受けないより精緻なデジタル広告施策がプランニング可能になります。
※注1
②シグナル量の強度改善
コンバージョンAPIの応用的な活用方法としては、単純なクッキーレスに対応したコンバージョン計測ではなく、その先にあるオンライン・オフラインデータの統合環境を構築し、Webコンバージョンと事業成果に紐づく成果ポイントのデータを結びつけた計測環境の構築が重要です。
ここを整備できれば、事業成果に基づいた広告パフォーマンスの最適化や評価が可能となります。
※コンバージョンAPI導入前:オン・オフデータが分断されており広告経由の事業貢献が可視化しづらい
※コンバージョンAPI導入後:分断されていたオンオフデータを結び付けて広告経由の事業貢献が可視化できる
上記の通り広告プラットフォームに送りこむシグナルの送信量と情報量の拡大により広告最適化機能のマキシマイズが期待できます。
③広告パフォーマンスの精緻化
最後に、広告プラットフォームに送り込むシグナル内容をエンリッチ化するにあたって、どのようなデータを送り込むと広告パフォーマンスの改善につながるのか?2つのケースを参考に解説をさせていただきます。
例①:クレジットカード会社様のケース
- 通常の成果目標:カード新規申込件数の最大化
- 本来見るべき成果目標:クレジットカードの発券数やクレジットカードの利用金額(回数)
- 課題
- 広告経由の貢献度がカード申込単位でしか評価ができない
- カードの審査漏れが最適化対象に含まれる
- 改善ポイント
- クレジットカード審査通過者→発券→クレジットカード利用→利用頻度など顧客のコンディションに併せたデータ環境の整備
- コンバージョンAPIを通じて広告経由の事業貢献コンバージョンを計測
- 発券やクレジットカードの利用に至った事業貢献の高いデータを広告プラットフォームへ送信
- 活用するデータ
- ①既存会員の配信除外
- ②クレジットカード発券、クレジットカード利用者(利用頻度別、利用金額別、カードランクなど)を教師データとした機械学習を行い広告配信
例②:サブスクサービスを提供している企業様のケース
- 通常の成果目標:新規無料お試し会員への登録
- 本来見るべき成果目標:お試し期間終了後の本契約による課金
- 課題
- 広告経由の貢献度が無料会員の登録数でしか評価ができない
- 優良顧客、休眠顧客、無料会員の顧客解像度が可視化できない
- 改善ポイント
- 無料契約→本契約(課金化)を補足するデータ環境を整備
- コンバージョンAPIを通じて広告経由の事業貢献コンバージョンを計測
- 本契約に至った事業貢献の高いデータを広告プラットフォームへ送信することで学習機能の最適化への活用
- 活用するデータ
- ①既存会員の配信除外
- ②無料会員から有料会員(利用頻度別、課金額別など)のデータを教師データとした機械学習を行い広告配信
以上となります。他にも業種・業態で活用方法は多岐に渡りますが、参考になれればと思います。
デジタル広告のパフォーマンスを最大化するソリューションの紹介
CCIでは、2024年7月2日(火)より以下サービスの提供を開始しました。
デジタル広告における事業成果に基づく精緻なコンバージョンデータを活用した機械学習機能を最大化
このサービスでは、コンバージョン欠損対策を進めている広告主様においてはコンバージョンAPI導入後においても具体的な広告コンバージョンを事業成果にヒットする形でKPIの達成および広告効果の可視化を実現することが可能となります。
詳細:
アドレサブル広告(事業KPI最大化)|サービス概要ページより詳細をご確認ください。
事例紹介
Cookieレス時代の新常識 Yahoo!広告・LINE広告の対応策を徹底解説をテーマに7月25日(木)のLINEヤフー株式会社様をゲストにウェビナーを開催しました。
本コラムで当日解説させていただきましたポイントをいくつかご紹介させていただきます。
LINEヤフー広告における影響まとめ
LINEヤフー広告におけるCookieレスの影響においては以下に整理しております。
Yahoo!が推奨するプライバシー対策
- ターゲティング:カスタムターゲティングの活用
- 例:自社流出ターゲティング
- ヤフードメインから特定のサイトへの訪問者(流出)をターゲティングが可能。競合/比較サイトのURLを指定することで、他社へ流れてしまうユーザーに対しても訴求を行うことができます。
- 例:自社流出ターゲティング
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- 例:広告アクションターゲティング
- 「広告アクションユーザー」は指定した広告に対してアクション(広告クリック・コンバージョン・動画視聴のいずれか)を行ったユーザーを蓄積するオーディエンスリスト種別です。
広告グループのターゲティングに設定することで、広告を配信できます。
- 「広告アクションユーザー」は指定した広告に対してアクション(広告クリック・コンバージョン・動画視聴のいずれか)を行ったユーザーを蓄積するオーディエンスリスト種別です。
- 例:広告アクションターゲティング
-
- 例:予測ターゲティング
- 過去に特定のアクションを起こしたユーザーを、シードデータとして行動特性を分析。近しいアクションを起こす可能性が高いユーザーを抽出し、配信するターゲティングです。
- 例:予測ターゲティング
詳細 クッキーレス時代に対応すべき、ターゲティングと効果計測とは?
- コンバージョン計測
- コンバージョン詳細マッチングの導入(タグ・API形式)
- コンバージョン詳細マッチングとは、Yahoo!が提供するプライバシー対策の一つです。広告主が持つ顧客情報とYahoo!広告のコンバージョンタグをハッシュ化した状態で安全な形で情報を連携する、Cookieに依存しないコンバージョン計測手法です。その他にも、従来は取得できなかったオフラインコンバージョン(実店舗(実店舗での購入、来店履歴)を計測でき、広告パフォーマンスの最適化にも活用ができます。
- コンバージョン詳細マッチングとは、Yahoo!が提供するプライバシー対策の一つです。広告主が持つ顧客情報とYahoo!広告のコンバージョンタグをハッシュ化した状態で安全な形で情報を連携する、Cookieに依存しないコンバージョン計測手法です。その他にも、従来は取得できなかったオフラインコンバージョン(実店舗(実店舗での購入、来店履歴)を計測でき、広告パフォーマンスの最適化にも活用ができます。
- コンバージョン詳細マッチングの導入(タグ・API形式)
LINEが推奨するプライバシー対策
- 既存ターゲティングの活用
- 例:電話番号/メールアドレスアップロードオーディエンス
- 広告主が保有するCVユーザーの電話番号・メールアドレスをLINE広告管理画面にアップロードすることでリターゲティング配信が可能です。
- 例:アップロードオーディエンスの類似拡張
- アップロードした電話番号/メールアドレスオーディエンスをシードとした類似オーディエンスによりCV確度の高いユーザーに拡張して配信が可能です。
- アップロードした電話番号/メールアドレスオーディエンスをシードとした類似オーディエンスによりCV確度の高いユーザーに拡張して配信が可能です。
- 例:LINE Conversion API経由のConversionイベントオーディエンス
- LINE Conversion APIにより計測したコンバージョンをウェブトラフィックオーディエンスで蓄積し、配信に利用することでリターゲティング配信が可能です。
- 例:動画視聴/画像クリックオーディエンス
- 動画視聴・画像クリックしたユーザーをオーディエンスとして蓄積し該当広告への興味関心がある確度の高いユーザーへ配信が可能です。
- 動画視聴・画像クリックしたユーザーをオーディエンスとして蓄積し該当広告への興味関心がある確度の高いユーザーへ配信が可能です。
- 例:電話番号/メールアドレスアップロードオーディエンス
- 自動ターゲティングによる配信対象の最適化
- 自動ターゲティングは収集されたイベントを学習し、設定したターゲティング条件内で更にイベント実行が見込めるユーザーを探し最適なオーディエンスを自動で生成する機能です。
- 自動ターゲティングは収集されたイベントを学習し、設定したターゲティング条件内で更にイベント実行が見込めるユーザーを探し最適なオーディエンスを自動で生成する機能です。
- LINEプロダクトの横断活用
- 友だちオーディエンス
- LINEビジネスマネージャー
- コンバージョン計測
- LINE Tagでの計測範囲の拡大
- ファーストパーティーCookie・ローカルストレージによる計測
- クロスドメイン計測
- 詳細マッチングの実装
- LINE Tag以外での計測の補完
- LINE Conversion APIの実装
- LINE Tagでの計測範囲の拡大
最後に
いかがでしたでしょうか?
合計3回に渡ってコンバージョンAPI(CAPI)について解説させていただきました。
「Data Dig」では、コンバージョンAPIの導入の他にもデータクリーンルームやファーストパーティデータ活用など幅広い実績や支援をしております。ご興味のある方は是非お気軽にお問い合わせください。
>>コンバージョン欠損対策(コンバージョンAPI)|サービス概要ページ
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