【Yahoo!広告編】クッキーレス時代に対応すべき、ターゲティングと効果計測とは?
こんにちは。CCI データプランナーの浅井です。
以前のコラムで、LINE広告で今後対応すべきターゲティング・効果計測についてご紹介したところご好評をいただきましたので(!)、本日はYahoo!広告編と題してYahoo!広告におけるクッキーレス対策を解説いたします。
>>LINE広告編はこちら:クッキーレス時代に対応すべき、LINE広告のターゲティングと効果計測とは?
2024/7/22に、Googleがクッキー廃止計画を打ち切るというニュースが入りデジタルマーケティング業界に激震が走りました。
>>Google公式ブログ(英語です):A new path for Privacy Sandbox on the web
>>Data Digにおける解説記事はこちら:Google Chorme サードパーティクッキー廃止を撤回
とはいえ、残念ながらクッキーの利用が制限される状態は変わらないと思われます。(そもそも国内モバイルデバイスにおいて圧倒的シェアを誇るiOSはすでにサードパーティークッキーが廃止されていますね)
引き続き、今後のデジタルマーケティング施策を見据えてクッキーレスに対応したターゲティング・効果計測を行っていきましょう。
■目次
◆クッキーレス対策:ターゲティング編
Yahoo!広告における、クッキーレス時代に適したターゲティング施策は大きく3つあります。
・広告アクションユーザー
自社でYahoo!に出稿している広告に対してアクション(広告クリック・コンバージョン・動画視聴のいずれか)を行ったユーザーを蓄積するターゲティングです。
従来のリターゲティングのうち「Yahoo!広告経由で何かしらのアクションをしたユーザー」に絞ったターゲティング、と考えると分かりやすいかもしれません。また、以前あった「自社広告クリッカーターゲティング」がコンバージョン・動画視聴も対象になった(アクションを選べるようになった)形ですね。
管理画面上での設定が可能なので、導入ハードルも低く、特にオススメなターゲティングです。
・自社サイト流出ターゲティング
Yahoo!JAPANのドメインページから、自社のサイトに直接遷移したユーザーに広告配信ができるターゲティングです。例えば、オーガニックの検索結果から流入したユーザーが該当します。
※本ターゲティングは管理画面上での設定ができません。実施をご希望の場合は、お問い合わせくださいませ。
1つ目にご紹介した「広告アクションユーザー」とともに、リターゲティング代替のターゲティングとして直近多く紹介がされているターゲティングです。過去に一度は自社サイトに来訪したユーザーであるため、獲得系案件においてもコンバージョン獲得に期待ができます。
▽参考:検索結果画面で見る、広告アクションユーザー・自社サイト流出ターゲティングの違い
・予測ターゲティング
過去に特定のアクションを起こしたユーザーを、シードデータとして行動特性を分析。近しいアクションを起こす可能性が高いユーザーを抽出し、配信するターゲティングです。
※本ターゲティングは管理画面上での設定ができません。実施をご希望の場合は、お問い合わせくださいませ。
・スマートターゲティング
出典:スマートターゲティング - ヘルプ - Yahoo!広告 より
現在Yahoo!広告ディスプレイ広告では、入札・クリエイティブ・ターゲティングにおいて自動化の推進を強化しています。ターゲティングにおける自動化推進策が、この「スマートターゲティング」です。ターゲティングを最適化する機能で、設定をすることで行動履歴を利用したターゲティング※で指定した範囲を超えて、コンバージョンに至る可能性の高いユーザーに優先的に配信するようになります。
※「オーディエンスリストターゲティング」「サーチキーワードターゲティング」「オーディエンスカテゴリーターゲティング」を指します。その他のターゲティングについては適用され、スマートターゲティング利用時も指定した範囲内に配信されます。
詳細は「スマートターゲティング - ヘルプ - Yahoo!広告」よりご確認ください。
◆クッキーレス対策:計測編
続いては計測における対策です。
・コンバージョン測定補完機能の導入
現在は、従来のコンバージョン計測で使用していたサードパーティークッキーは利用できないため、自社サイトのクッキー(ファーストパーティークッキー)を利用した計測を行っています。
本機能の導入にあたり必要な対応としては、コンバージョン測定補完機能タグ(およびサイトジェネラルタグ)という、管理画面から取得可能のタグを自社サイトに実装するのみです。このタグは、コンバージョン補完用のクッキーを作成するためのタグです。ファーストパーティークッキーを作成するために、広告主様のウェブサイトに実装します。
※クッキーの作成には、「自動タグ設定」によりURLに付与された「YCLID」(Yahoo!広告クリック識別子:Yahoo!広告クリック時に遷移先ページのURL付与されるもの)が必要となります。YCLIDは、管理画面上で自動タグ設定が「ON」になっているときのみ付与されます。デフォルトが「ON」ですが、万が一「OFF」になっていた場合は「ON」に変更しましょう。
- クロスドメイン計測
クロスドメインの場合は、以下の設定が必要となります。
クロスドメインの場合の設定方法
ウェブサイトがクロスドメインの場合、以下の設定が必要です。
(a)コンバージョン測定タグを設置したページと同一ドメインのページに「サイトジェネラルタグ」「コンバージョン測定補完機能タグ」を設置する。
(b)「サイトジェネラルタグ」「コンバージョン測定補完機能タグ」を動作させるために「yclid」が必要なため、(a)でサイトジェネラルタグを設置したページに、パラメータ「yclid」を引き継ぐ。
※パラメータの引き継ぎ方法は、ウェブサイトの構成によって異なります。パラメータの引き継ぎの可否も含め、サイト管理者に確認してください。
・コンバージョン詳細マッチング(コンバージョン欠損対策)
コンバージョンタグと自社が持つ顧客情報を連携することで、コンバージョンをより正確に測定できる機能です。クッキーに依存することなくコンバージョン計測ができるため、
・現状取りこぼしが発生しているコンバージョンの計測
・広告の最適化精度の向上
・精度向上に伴い、更なるコンバージョン獲得
に期待ができる機能です。
また、オフラインデータも対象で、例を挙げると実店舗への来訪・実購買に至ったユーザーのコンバージョンについても把握することができます。
導入方法としては2つあります。
1)タグを設置する
-広告管理ツールを利用しコンバージョンタグに項目を追加
-連携可能な情報:メールアドレス、電話番号
2)コンバージョンAPIを導入する
-連携可能な情報:メールアドレス、電話番号、yclid、yjr_yjad
コンバージョン詳細マッチングは、直近Data Digで最もご相談をいただいてるサービスです。コンバージョン欠損対策については、 以下コラム/ソリューションページでもご紹介しています。是非ご覧ください。
>> ポストクッキー時代の広告対策!なぜコンバージョンAPIを導入すべきか?
>> コンバージョン欠損対策(コンバージョンAPI)|Data Dig
◆早速クッキーレス対策を進めよう!・・その前に
ここまで、Yahoo!広告のクッキーレス対策について紹介をしてきました。しかし、実際に動き出す前に、まずやるべきことがあります。
それは、自社のプライバシーポリシーの整備です。ユーザーのプライバシー保護の重要性が叫ばれる昨今、どのようなデータを・どのように扱っているか、プライバシーポリシーで明記をしておく必要があります。記載することなく、施策を進めてしまう場合は企業の信用問題にもつながります。
企業によりけりではありますが、プライバシーポリシーの整備~クッキーレス対策導入完了までにかかる時間は、数か月単位は見ておいたほうが良いと考えています。そうなると、25年初頭のGoogle Chromeサードパーティークッキー廃止まで意外と時間がない・・というのが現状です。
◆Yahoo!広告のクッキーレス対策ならCCI ”Data Dig”
今回ご紹介した通り、Yahoo!広告では多くのクッキーレス対策機能/サービスが提供されています。しかし、それらをただ闇雲に導入していくのではなく、まずは自社の現状を正しく把握した上でどの機能から着手をしていくべきか優先順位を付けて対応をしていくことが重要です。
CCIのデータ統合支援・活用サービス「Data Dig」では、専門のプランナー・エンジニアが現状把握~実装までを一気通貫で対応しております。Yahoo!広告におけるクッキーレス対策にお悩みの場合は、まずはお気軽にお問い合わせください。
>>お問い合わせフォーム|ポストクッキー時代のデータ統合支援・活用サービス『DataDig』
▽媒体別クッキーレス対策記事はこちらから!
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