Microsoft広告が提供する拡張コンバージョン機能とは?クッキーレス対策における導入メリットを解説
こんにちは、CCIで企業のデータマーケティングの推進とデータプランナーを担当をしている三代(みよ)です。
本コラムでは、Cookieレス時代のコンバージョン計測方法として各広告プラットフォーマーが提供するコンバージョン欠損対策やその特徴を解説しております。
今回はMicrosoft広告がコンバージョン欠損対策として公開している、拡張コンバージョンにフォーカスして解説をさせていただきます。
■目次
Microsoft広告の拡張コンバージョンとは?
拡張コンバージョンとは、クッキーレスによるコンバージョン欠損対策の一つです。
Cookieレスにより精緻なコンバージョンデータの計測が困難な広告主に対して、豊富な会員IDを保有している各広告プラットフォーマーが提供しているサードパーティクッキーに依存しないコンバージョン計測機能となります。
Microsoft Advertisingでは、広告主が保有するファーストパーティデータに紐づくメールアドレスか電話番号をキーに、MicrosoftアカウントIDを連携させてシグナル精度と強度の高いコンバージョンデータの補完を推奨しております。
サードパーティクッキーの利用が制限されることでコンバージョンデータが欠損することが考えられますが、ファーストパーティデータはサードパーティデータよりも精度が高く、且つユーザーに対してマーケティング利用をする際は許諾を取ることが前提となるためコンバージョン計測における信頼性も担保されます。
計測する仕様が異なるものの、コンバージョンAPIも同様の対策ソリューションとなります。詳しくは以下コラムで解説しておりますので参考ください。
コンバージョンAPI(CAPI)とは?クッキーレスで注目されるコンバージョンAPI(CAPI)をわかりやすく解説
拡張コンバージョンの期待効果
①強化されたシグナルデータ
Cookieレス時代では、従来取得できていたコンバージョン計測のデータ不足が懸念されます。
設定したピクセルタグが発火することでその情報をクッキーに書き込み、広告プラットフォーマー側はそのクッキーを特定することでコンバージョン計測をしていたからです。
一方で、拡張コンバージョンでは、ユーザーに許諾を取った前提でピクセルタグ経由で個人情報(電話番号、メールアドレスなど)をハッシュ化した状態でMicrosoft側のサーバーに送信します。
その後、MicrosoftアカウントIDと照合をしてコンバージョン計測をするため、電話番号やメールアドレスさえ一致すればCookieレスに影響を受けない精緻なコンバージョン計測が可能です。
②オフラインデータの計測
従来のコンバージョン計測は前提として、オンライン上のWEB広告のみコンバージョン計測が可能でした。
ただし、ECサイトや実店舗などオンライン・オフライン両方で販売チャネルを展開している企業の場合、WEB広告に接触しても実は実店舗(オフライン)で購入をするケースも十分に考えられます。
そういったケースの場合、会員IDと広告接触ログデータが紐づかず広告貢献効果の計測が困難でした。
Microsoft広告はオフラインコンバージョンのトラッキングが可能で、WEB広告に接触した後に店舗(オフライン)で商品を購入したオフライン上の顧客データ(会員、購買情報など)をMicrosoftにインポートすることで、広告がクリックされた後の行動をより正確に測定することができます。
③マーケティングROIの向上
WEB広告経由のオフラインコンバージョンの計測が可能になることで、これまで評価の対象にされていなったオフラインコンバージョンも評価することが可能になります。
マーケテイングROIの向上や広告最適化がさらに機能することで広告パフォーマンスの改善が期待できます。
拡張コンバージョンの設定に向けての準備
※まえおき※
拡張コンバージョンを利用する際はユーザーに対して、個人情報(PII)を活用することに対する同意が必要になります。本コラムでは詳細は触れませんが、広告主様側の法務ご担当部署やエンジニア部署との連携が必要になる点をご認識ください。
拡張コンバージョンを導入・実装するには、まず以下を整理する必要があります。
【事前整理】
・エンジニアリソースやサイト構成、タグ計測に長けた専門人材の確保
・コンバージョンページURL(サンクスページ、フォーム入力ページなど)の把握
・イベントトリガーの把握(クリック、ビューなど)
・コンバージョンタグに利用するための顧客データ(メールアドレス、電話番号)の保有状況
・Microsoft Advertisingにおけるプライバシーステートメントへの同意
【導入ステップ】
①拡張コンバージョン目標を設定する
管理画面で新規で拡張コンバージョン目標、既存のコンバージョン目標を更新をします。
コンバージョン目標の設定画面でコンバージョンの種類がWebサイトで設定されているのを確認できたら、ポリシーの同意と拡張コンバージョンをオンにします。
②オンラインコンバージョンを設定
①の設定が完了したら、Universal Event Tracking Tag(UFTタグ)を構成します。
一般的にはGoogle タグマネージャで拡張コンバージョンを設定するケースが一般的のため、Microsoft Advertisingが公開しているGoogleタグマネージャを使用してUETタグを設定するを参照ください。
③オフラインコンバージョンを設定
オフラインコンバージョンを機能させるには、コンバージョンをインポートするフォーマットをダウンロードして設定が必要となります。
Microsoft広告におけるオフライン計測はメールアドレスか電話番号が利用できます。
④データのフォーマットとハッシュ化
オフラインコンバージョンの計測では、データのフォーマットとハッシュ化の両方が必要です。
プライバシー保護のために、ファイル内の顧客データ (メールアドレス) を安全な形で暗号化をして、データをハッシュ化します。ハッシュ化においては、SHA-256を使用して個が認識できない文字列に変換する関数を用いてハッシュ化します。
※参考※Microsoft Advertising強化されたコンバージョンより
CCIが提供するコンバージョン欠損対策
CCIが提供しているデータマーケティングサービスの『Data Dig』では2つのコンバージョン欠損対策サービスを提供しております。
Microsoft広告の対応はもちろんのこと主要広告プラットフォーム9媒体に対応しております。
①Advanced Tagging(コンバージョンタグ編集)
顧客データ(カスタマー情報)を付加したコンバージョンシグナルをコンバージョンピクセルで送信する形式で既存のコンバージョンタグを編集するライトなプランです。
CCIでは各社に先駆けて9つの広告プラットフォームに対応したプランを提供しております。
※Microsoft広告においてもこちらのプランで提供可能です。
②Conversion API
コンバージョンAPIとは、Cookieに依存せずにコンバージョンを計測する手法です。
サードパーティクッキーを使わずに広告主のサーバーから広告プラットフォーマーのサーバーへ直接マーケティングデータを送信する仕組みで、Cookie規制の影響を受けずに、プライバシーを保護した形で精緻な広告効果計測が可能となります。
※Microsoft広告においてはこちらのプランは非対応となっております。
具体的なサービス詳細はCCIが提供するコンバージョン欠損対策サービスをご確認ください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回はMicrosoft広告のコンバージョン欠損対策をご紹介させていただきました。
他のコラムでは他広告媒体が提供しているコンバージョン欠損対策もご紹介しております。
【Google広告編】 【Yahoo!広告編】【LINE広告編】
【Pinterest広告編】【Amazon広告編】【Meta広告編】
「Data Dig」では、コンバージョン欠損対策ソリューションの導入支援の他にもデータクリーンルームやファーストパーティデータ活用などクッキーレス時代に対応した最適な広告配信や広告効果分析ソリューションを提供しており幅広い実績や支援実績がございます。
ご興味のある方は是非お気軽にお問い合わせください。
>>コンバージョン欠損対策(コンバージョンAPI)|サービス概要ページ