TikTok広告のEvents APIとは?広告パフォーマンスを向上させる実装の必要性を解説
こんにちは、CCIで企業のデータマーケティングの推進とデータプランナーを担当をしている三代(みよ)です。
本コラムでは、Cookieレス時代のコンバージョン計測方法として各広告プラットフォーマーが提供するコンバージョン欠損対策やその特徴を解説しております。
今回はTikTok広告が提供するコンバージョン欠損対策として公開されているEvents APIにフォーカスして解説をさせていただきます。
■目次
TikTok for BusinessのEvents APIとは?
TikTokのEvents APIとは、広告主が保有するマーケティングデータ(ウェブサイト、アプリ、CRMデータ、オフラインデータなど)をTikTokやPangleに直接共有できるサーバー間(S2S)の連携方法となります。
※PangleとはTikTok for Businessのアドネットワークです。
TikTok広告マネージャーでWebコンバージョンの計測を精緻化する目的に使用する際は、前提条件としてピクセルまたはイベントAPIの設定が必要になります。
クッキーレスの影響の一つに、マーケティングデータが不足することによるコンバージョンデータの欠損が懸念されます。そこで、3rdPartyクッキーを使わずにサーバーサイドからコンバージョンデータを送信するコンバージョンAPIを導入することで、カスタムターゲティングやコンバージョン計測、広告最適化などのパフォーマンス向上が期待できます。
Events APIの特徴
①安全性
従来の3rdPartyクッキーを使用したコンバージョン計測とは異なり、広告主のサーバーからTikTokのサーバーへプライバシーと安全性を担保した形でTikTokの広告サーバーにイベントデータを直接送信することが可能です。
自社の顧客データ基盤からTikTokの広告サーバーへデータ連携をしますが、ハッシュ化をしたり安全性に配慮した形でAPI開発を進めます。
②精度
従来の広告効果計測で一般的なピクセルタグ計測とは異なり、ブラウザの読込エラーや広告ブロッカーによる計測漏れなど取得仕切れなかったシグナルデータを補うことが可能です。よって、今まで以上に広告最適化機能の活性化が期待できます。
Events APIの効果的な活用方法としては、単純なクッキーレスに対応したコンバージョン計測環境の構築やターゲティングにおけるリーチ量の確保だけではなく、その先にあるオンライン・オフラインデータの統合環境を構築し、Webコンバージョンと事業成果に紐づく成果ポイントのデータを結びつけた計測環境の構築が重要です。
③拡張性
クッキーレス時代で重要になってくるのが自社が保有するファーストパーティデータの活用です。
ファーストパーティデータとは、企業が独自に収集したマーケティングデータを指します。主に自社WEBサイトの会員情報、アクセス履歴、購買履歴、キャンペーン登録情報などのCRMデータなどが該当されます。
広告主が保有するファーストパーティデータに紐づくメールアドレスなどをキーにEvents APIを通じて、TikTok保有の会員IDとマッチングさせたアドレサブル広告の活用が可能となります。
Events APIの導入手順
Events APIを利用する際はユーザーに対して、個人情報(PII)を活用することに対する同意が必要になります。本コラムでは詳細は触れませんが、広告主様側の法務ご担当部署やエンジニア部署との連携が必要になる点をご認識ください。
①事前整理フェーズ
- クッキーレスの影響度を把握
- 現在掲載をしているTikTok広告のクッキーレス影響度を整理
- 現在掲載をしているTikTok広告の事業成果(貢献度)を整理
- 自社の顧客データ収集・蓄積環境の把握
- ファーストパーティデータの収集状況を整理
- ファーストパーティデータの取得内容を整理
- ツール、データ、タグ周りの利用・計測状況を整理
- プライバシーポリシーの整備状況の把握
- 個人データの利用目的や定義、ユーザーに対してのマーケティング活動における許諾・同意 など
- 個人データの第三者提供方法について など
※改正個人情報保護法の理解や遵守が必要となります
②見積りフェーズ
- コンバージョン計測ポイント数
- データ蓄積環境(利用ツール、利用サーバー)
- 作業工数
- 外注をする場合は上記などのポイントが整理された上で見積りが算出されます。
- その他、サーバー利用などで月額費用(ランニングコスト)が発生するケースがあります。
③実装フェーズ
TikTokでは、3種類のイベント設定を選択できます。
- イベントビルダー
- TikTokのセルフサービスプラットフォームです。開発者のサポートが必要なく、TikTok Pixelベースコードを自社サイトにインストールできることを条件に、イベント作成と設定を簡略化が可能です。
- カスタムコード
- 広告主のウェブサイトにコードを実装してイベントを作成します。この方法は、最も簡単にイベント設定を行うことが可能です。
- Events API
- 上記に記載の通りで広告主とTikTokのサーバー間を介して、直接イベントデータを安全な形で送信できます。他の広告媒体ではコンバージョンAPIと呼ばれていることが一般的です。
TikTokでは設定内容を完全に最適化するために、イベントAPIやTikTok Pixelの両方の実装を選択することを推奨しております。
理由としては、主に以下が挙げられます。
・TikTokに送りこむシグナルの送信量と情報量の拡大により広告最適化機能のマキシマイズが期待できるため。
・ページの読込エラーや広告ブロッカーといったデバイスの影響でデータ取得量は万全ではない
・オフラインCVデータの取得(実店舗購入、来店など)
TikTokヘルプページ(2024年7月時点)を参考にしております。また、設定方法に課題やお悩みの企業様がおりましたら弊社に是非ご相談をください。
④運用フェーズ
- TikTok広告へのデータ送信
- コンバージョン計測、広告効果を観測
- 最適化機能のチューニング
- レポート・分析
- 運用改善
CCIが提供するコンバージョン欠損対策
CCIが提供しているデータマーケティングサービスの『Data Dig』では2つのコンバージョン欠損対策サービスを提供しております。
TikTokの対応はもちろんのこと主要広告プラットフォーム9媒体に対応しております。
①Advanced Tagging(コンバージョンタグ編集)
顧客データ(カスタマー情報)を付加したコンバージョンシグナルをコンバージョンピクセルで送信する形式で既存のコンバージョンタグを編集するライトなプランで、9つの広告プラットフォームに対応したプランを提供しております。
②Conversion API
コンバージョンAPIとは広告主のサーバーにあるマーケティングデータ(会員、購買、来店、CRMデータなど)に紐づくメールアドレスや電話番号、モバイル広告識別子などをキーに広告プラットフォーマーの会員IDを安心安全な形でサーバー間で直接連携するクッキーレス時代のコンバージョン計測方法のひとつです。CCIではブラウザの読込エラーや広告ブロッカーによる計測漏れなど取得仕切れなったシグナルデータを補うことで取得シグナルの総量を最大限上げるプランを提供しております。
具体的なサービス詳細はCCIが提供するコンバージョン欠損対策サービスをご確認ください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回はTikTok広告のコンバージョン欠損対策をご紹介させていただきました。
他広告媒体が提供しているコンバージョン欠損対策も別コラムでご紹介しております。
是非ご参考ください。
【Google広告編】 【Yahoo!広告編】【LINE広告編】
【Pinterest広告編】【Amazon広告編】【Meta広告編】
【Microsoft広告編】【X(旧Twitter)広告編】
「Data Dig」では、コンバージョン欠損対策ソリューションの導入支援の他にもデータクリーンルームやファーストパーティデータ活用などクッキーレス時代に対応した最適な広告配信や広告効果分析ソリューションを提供しており幅広い実績や支援実績がございます。
ご興味のある方は是非お気軽にお問い合わせください。
>>コンバージョン欠損対策(コンバージョンAPI)|サービス概要ページ