Yahoo!広告のコンバージョン詳細マッチングとは?コンバージョン計測およびコンバージョン最適化配信における有効性を解説
こんにちは、CCIで企業のデータマーケティングの推進とデータプランナーを担当をしている三代(みよ)です。
本コラムでは、Cookieレス時代のコンバージョン計測方法として各広告プラットフォーマーが提供するコンバージョン欠損対策やその設定方法を解説しております。
今回はYahoo!が提供するコンバージョン欠損対策の一つであるコンバージョン詳細マッチングにフォーカスして解説をさせていただきます。
■目次
コンバージョン詳細マッチングとは?
コンバージョン詳細マッチングとは、Yahoo!が提供するプライバシー対策の一つです。広告主が持つ顧客情報とYahoo!広告のコンバージョンタグをハッシュ化した状態で安全な形で情報を連携する、Cookieに依存しないコンバージョン計測手法です。その他にも、従来は取得できなかったオフラインコンバージョン(実店舗での購入、来店履歴)を計測でき、広告パフォーマンスの最適化にも活用ができます。
通常のコンバージョンタグからCookieを発火させる手法では、リアル店舗の来店履歴や購入情報などのオフラインデータの計測はできませんが、コンバージョン詳細マッチングは顧客の個人情報に紐づくデータを連携することで、デジタル広告によるオフライン貢献効果のデータ測定が可能となりました。
コンバージョン詳細マッチングで連携できる情報は、以下のとおりです。
・メールアドレス
・電話番号
なお、この計測を実施するためには、ユーザー側に個人情報(PII)を活用することに対する同意が必要になります。このコラムでは詳細は触れませんが、広告主様側の法務ご担当部署と連携してプライバシーポリシー等の整理が必要になる点をご認識ください。
Yahoo!広告でのコンバージョン詳細マッチングの設定方法
コンバージョン詳細マッチングを導入・実装するには、まずコンバージョン測定画面で「詳細マッチング」を選択いただきます。
そのうえで、①広告管理ツール ②コンバージョンAPIのいずれかで連携します。
ここからは、Yahoo!が公開しているコンバージョン詳細マッチング有効手順をもとに解説させていただきます。
①広告管理ツールによる設定
コンバージョン詳細マッチングを有効にしたタグは、コンバージョン一覧の「詳細マッチング」列で「利用する」と表示されています。新たにコンバージョンタグを作成した場合は、コンバージョン設定一覧で作成したタグの「タグを表示」をクリックして、表示されるタグをウェブサイトに設置してください。
そして、これとは別に実際のWebサイト(コンバージョンが発生するWebサイト)でも設定が必要になります。現状だと広告のタグを設置する場合、タグマネージャーを介して設置することが多い状態で、CCIでもタグ設置の大半はタグマネージャー経由となっています。
なお、CCIではGA4などの導入支援も行っていることから、Googleタグマネージャーによる導入支援も多く行っており、Googleタグマネージャーに関するコラムも多数公開しています。
GoogleタグマネージャーにおけるGoogle広告タグは以下の様に「Yahoo広告 サイトジェネラルタグ」「Yahoo広告(ディスプレイ広告) - コンバージョン測定タグ」が存在しており、後者のタグに対しては、さらに電話番号あるいはメールアドレスの情報を変数を作成して反映させる形となります。
ただし、広告主様のWebサイトは個々に構造が異なっているため、必要な追加情報(個人情報)を取得するためには、Webサイトの構造を把握しながらGoogleタグマネージャーの設定を進める必要があります。
Data Digでは、これらのタグ設置、そしてタグに含めるべき情報取得に必要な変数の作成についても支援が可能です(サービス詳細は後述)。
【補足】
Yahoo!広告に関しては、2024年7月時点ではディスプレイ広告のみが対応可能であり、検索広告ではコンバージョン詳細マッチング、あるいはコンバージョンAPIは非対応となっています。
※検索広告に関してはYCLIDを付与する機能「自動タグ設定」をすることでコンバージョン測定を補完することを推奨いたします。
※「YCLID」とは、ユーザーが広告をクリックした際に付与される識別子となります。
②コンバージョンAPIによる設定
コンバージョンAPI(CAPI)とは、Cookieを使わずに広告主のサーバーから媒体社の広告サーバーへ直接ファーストパーティデータ(会員情報、購買履歴、来店情報など)を送信する仕組みです。
また、広告主が持つファーストパーティデータは個人が特定されない形でハッシュ化加工をして直接広告プラットフォームへ送信をしますので、プライバシーに配慮しつつ安心安全に広告のコンバージョン計測や最適化の精度向上が期待できます。
コンバージョンAPIを使用するにはアプリケーションの開発が必要なため広告主様のデータ環境やエンジニアリソースの確保が必要となり、①の広告管理ツールからの導入よりも実装ハードルが上がります。
しかし、ユーザーのブラウザの読込エラーや広告ブロッカーによる計測漏れなどにより取得仕切れなかったシグナルデータを補うことで正確なデータを取得することが可能なため広告効果の最適化が期待できますので
コンバージョンAPIの開発を進める場合は、新しいアプリケーションを開発から登録を進めてコンバージョンAPI用のリクエストパラメータを取得してください。その後、取得したパラメータを、コンバージョンAPIを利用してアプリケーションに組み込みます。
また、コンバージョンAPIを深堀した解説は以下コラムにまとめておりますのでご参考ください。
どの方式を採用して導入するのが良いのか?
結論からお答えすると、両方の形式を導入することを推奨いたします。
一見、導入ハードルが低いタグ編集方式を選択しがちですが、広告プラットフォームに送りこむシグナルの送信量と情報量を拡大させるには両方の形式を導入することで広告最適化機能のさらなるマキシマイズが期待できます。
CCIが提供するコンバージョン欠損対策
CCIが提供しているデータマーケティングサービスの『Data Dig』では2つのコンバージョン欠損対策サービスを提供しております。
上記で触れた通り、可能な限り両方の形式を導入することを推奨いたします。
①Advanced Tagging(コンバージョンタグ編集)
顧客データ(カスタマー情報)を付加したコンバージョンシグナルをコンバージョンピクセルで送信する形式で既存のコンバージョンタグを編集するライトなプランで、9つの広告プラットフォームに対応
②Conversion API
顧客データ(カスタマー情報)を付加したコンバージョンシグナルをコンバージョンAPIで送信する形式。ブラウザの読込エラーや広告ブロッカーによる計測漏れなど取得仕切れなったシグナルを補うことで取得シグナルの総量を最大限上げるプラン
弊社の実績ですと、検索広告やディスプレイ広告で最大34%のCPAの改善に繋がりました。コンバージョン欠損を防止と広告プラットフォームに送り込むシグナルデータが増えたことでコンバージョン最適化配信の学習が進み、機械学習がより最適に働いた結果となります。
最後に
今回はYahoo!広告のコンバージョン欠損対策の一つであるコンバージョン詳細マッチングに関してご紹介させていただきました。
別のコラムではYahoo!以外の広告プラットフォーマーがリリースしているコンバージョン欠損対策を紹介しておりますので是非参考ください。
【Google広告編】【LINE広告編】【Amazon広告編】
【Pinterest広告編】【TikTok広告編】【Meta広告編】
【Microsoft広告編】【X(旧Twitter)広告編】
CCIでは「Advanced Tagging」によるタグ編集によるコンバージョン欠損対策の対応と、よりシグナルデータを強固に送信が可能で且つオフラインコンバージョンデータも広告プラットフォームに送信できる「Conversion API」の両方のご支援により広告主様にとって最適な、コンバージョン欠損対策の実施を進めることが可能です。
可能です。
加えて「Data Dig」では、コンバージョン欠損対策ソリューションの導入の他にもデータクリーンルームやファーストパーティデータ活用など幅広い実績や支援をしております。ご興味のある方は是非お気軽にお問い合わせください。
>>コンバージョン欠損対策(コンバージョンAPI)|サービス概要ページ